パーキンソン病治療にも使われるモノクロナール抗体

パーキンソン病治療には、ウサギ・モノクロナール抗体を主にしたパーキンソン病治療開発推進がされています。

パーキンソン病は、アルツハイマー病についで頻度の高い疾患といわれていますが、パーキンソン病はどのような疾患なのでしょう。

パーキンソン病

脳内のドーパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態としていて、錐体外路系徴候(錐体外路症状)を示す進行性の疾患で、神経変性疾患の一つです。

1817年にイギリスのジェームズ・パーキンソンによって、初めて報告がされました。彼は、現代でいうパーキンソン病の症状を提示した6症例を、振戦麻痺 (shaking palsy) という名で紹介しました。彼が記載した症状は、寡動・安静時振戦・姿勢保持障害・前傾姿勢・小字症などで、筋強剛については記載していません。パーキンソンの報告は長い間評価されませんでしたが、1888年になってフランスのジャン=マルタン・シャルコーによって再評価されることになりました。シャルコーは筋強剛についても記載し、彼の提唱によりこの疾患は「パーキンソン病」と呼ばれるようになりました。

シャルコーが改名を提唱した理由は、本当の意味での「麻痺」は見られないためと、すべての患者に必ずしも振戦(振るえ)が見られるわけではないためです。もう一つの主要症候である無動・動作緩慢については、サミュエル・ウィルソンがその教科書の中で提唱しています。一方パーキンソン病の病理に関しては、1913年にフレデリック・レビーが神経細胞内の封入体 (のちのレビー小体) を初めて記載、またロシアの神経病理学者Konstantin Tretiakoffは1919年、パーキンソン病の責任病変が中脳黒質にあると発表しました。

パーキンソン病の症状には「運動症状」と「非運動症状」があります。「非運動症状」の中には、精神症状と自律神経症状などが含まれます。

生物学での研究が基盤となるバイオケミカル産業

    運動症状 (主要症状は4つで、振戦・固縮・無動が特に3主徴といわれています)

    安静時振戦(ふるえ)

    指に振えがみられることが多いのですが、上肢全体や下肢、顎などにもみられます。安静にしているときにふるえが起こることが特徴です。精神的な緊張で増強していきます。動かそうとすると、少なくとも一瞬は止まります。字を書くことも難しくなります。指先のふるえは、親指が他の指に対してリズミカルに動くのが特徴的です。薬を包んだ紙を丸める動作に似ていることからpill rolling signとも呼ばれています。

    筋強剛(筋固縮) (rigidity)(筋肉が固くなる)

    力を抜いた状態で関節を他動させた際に、抵抗がみられる現象です。強剛(固縮)には一定の抵抗が持続する鉛管様強剛(鉛管様固縮、lead pipe rigidity)と抵抗が断続する歯車様強剛(歯車様固縮、cogwheel rigidity)がありますが、本疾患では歯車様強剛が特徴的に現れ、とくに手関節(手首)で認めやすい。純粋なパーキンソン病では錐体路障害がないことが特徴です。すなわち四肢の麻痺やバビンスキー反射などは認められないのが普通です。パーキンソン病をはじめとする、パーキンソン症候群に特徴的な、いわゆる仮面様顔貌(目を大きく見開きまばたきが少ない、上唇が突き出ている、これらの表情に変化が乏しい)は、顔面筋の筋強剛によるものとされています。

    無動、寡動(akinesia, bradykinesia)(動きが遅くなる)

    動作の開始が困難となります。そして動作が全体にゆっくりとして、小さくなります。(歩幅も小さくなる)仮面様顔貌(瞬目(まばたき)が少なくなり、大きく見開いた眼や、表情に乏しい顔貌)、すくみ足(歩行開始時に第一歩を踏み出せない)、小刻み歩行、前傾姿勢、小字症、小声症などが特徴的です。ただし床に目印となる線などを引き、それを目標にして歩かせたり、障害物をまたがせたりすると、普通に大またで歩くことが可能です(kinésie paradoxale、逆説性歩行、矛盾性運動)。

    姿勢保持反射障害(postural instability) (身体のバランスが悪くなる)

    バランスを崩しそうになったときに倒れないようにするための反射が弱くなります。加速歩行などもできなくなります。症状が進行していくと、起き上がることもできなくなります。

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    非運動症状

    自律神経症状として便秘、垂涎(ヨダレ)などの消化器症状、起立性低血圧(寝ていた後、起立した際に血圧の急激な低下)、食後性低血圧、発汗過多、あぶら顔、排尿障害、勃起不全などがあります。

    精神症状としては、感情鈍麻 (apathy)、快感喪失 (anhedonia)、不安、うつ症状、精神症候(特に幻視・妄想)、認知障害を合併する場合が多いです。感情鈍麻はパーキンソン病の、うつ症状に合併することが多いですが、単独でも症状として現れます。うつ症状はパーキンソン病の精神症候の中で最も頻度の高い症候とされてきましたが、実際の頻度についてはまだはっきりとはしていません。最も用いられている数値は約40%です。幻視も頻度の高い精神症候です。この症候は抗パーキンソン薬による副作用と考えられてきていましたが、近年ではそれだけでなく、内因性・外因性の様々な要素によって引き起こされるとする考え方が有力になってきています。以前は特殊な例を除き認知障害は合併しないといわれていましたが、近年では後述のように認知障害を伴うパーキンソン病の例が多いとみなされるようになっています。

    パーキンソン病を患っている人は、あまり動かず、言動が鈍くなり、言葉も小さくあまり聞き取りにくくなる為、一見すると認知症や他の精神疾患のようにみえることもありますが、実際には認知症やうつ病を合併する疾患もあります。

    そして、パーキンソン病は、高い確率で認知症を合併します。27の研究のメタアナリシスによると、パーキンソン病の約40%に認知症が合併していました。約30%というメタ解析データもあり、その研究では全認知症症例の3.6%がパーキンソン病でした。パーキンソン病患者は、認知症を発症するリスクは、健常者の約5~6倍と見積もられていますが、パーキンソン病患者を8年間追跡調査した研究では、78%が認知症を発症していました。