抗体医薬品はどのような病気に使われるのでしょうか?

がん(大腸がん・胃がん・急性骨髄性白血病・CD20陽性B細胞・非ホジキン性リンパ腫)・感染症その他(新生児、幼児の感染発生抑制・加齢黄斑変性症)アレルギー免疫(関節リウマチ・キャッスルマン病・ぜんそく・クローン病・腎臓移植後の急性拒絶(正)反応)などの病気に使われています。現在、日本でも10種類以上の抗体医薬品が発売されています。

アレルギーについて・・

アレルギーは免疫反応が、特定の抗原に対して過剰に起こることをいいます。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働くので、生体にとって不可欠な生理機能でもあります。アレルギーが起こる原因は、生活環境のほかに、抗原に対する過剰な反応、遺伝などが原因として考えられています。そして、アレルギーを引き起こす環境由来抗原を、特に「アレルゲン」と呼んでいます。最近では先進国で患者が急増しているのが大きな特徴です。

アレルギー疾患

アレルギー疾患の代表的な疾患としては アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症)、アレルギー性結膜炎、 アレルギー性胃腸炎、気管支喘息、小児喘息、食物アレルギー、薬物アレルギー、蕁麻疹があげられます。最近では、柑橘類の匂いや、ガムなどの香料の匂い程度で喘息や顔面紅潮などの1型アレルギー症状を示す病態が注目されています。

アレルギー疾患は、外部からの抗原に対し、免疫反応が起こる疾患です。

自己免疫疾患

自己の体を構成する物質を抗原として、免疫反応が起こる疾患です。特定の臓器や部位の障害、炎症をもたらしたり、全身性の症状を伴う場合があります。代表的な疾患としては関節リウマチといった膠原病に円形脱毛症などがあります。

生物学での研究が基盤となるバイオケミカル産業

    アレルギーの分類

    I型アレルギー

    IgEというタイプの免疫グロブリンが肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球という白血球に結合し、そこに抗原が結合するとこれらの細胞がヒスタミン、セロトニンなどの生理活性物質を放出します。これにより、血管拡張や血管透過性亢進などが起こり、浮腫(むくみ)、掻痒(かゆみ)などの症状があらわれます。この反応は抗原が体内に入るとすぐに生じ、即時型過敏とも呼ばれています。アレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹等の症状などを伴います。また、反応が激しく、全身性のものをアナフィラキシーと呼び、さらに急速な血圧低下によりショック状態を表したものをアナフィラキシーショックといいます。そして、この種のアレルギー症状は、10分前後で現れてきます。

    代表的な疾患としては、蕁麻疹、PIE症候群(好酸球性肺炎)、食物アレルギー、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックがあげられます。

    II型アレルギー

    IgGというタイプの免疫グロブリンが、抗原を有する自己の細胞に結合し、それを認識した白血球が細胞を破壊する反応です。代表的にはB型肝炎やC型肝炎などのウイルス性肝炎が挙げられます。ウイルスを体内から除去しようとする結果、肝細胞が破壊されるため症状となります。ペニシリンアレルギーも、II型アレルギーの一種です。この種のアレルギーの有無は、クームス試験などの検査によって調べることができます。

    代表的な疾患としては自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、不適合輸血、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、悪性貧血、リウマチ熱、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、橋本病、円形脱毛症があります。

    III型アレルギー

    免疫反応によって、抗原・抗体・補体などが互いに結合した免疫複合体が形成されます。この免疫複合体が血流に乗って流れた先で、周囲の組織を傷害する反応です。免疫複合体の傷害する部位が限局的な部位にとどまる反応をアルサス型反応といいます。そして、全身にわたるものを血清病と呼びます。過敏性肺臓炎はアルサス型反応の、全身性エリテマトーデスや溶血性連鎖球菌感染後糸球体腎炎は血清病の代表例です。 この種のアレルギーは、2~8時間で、発赤や浮腫となって現れます。

    代表的な疾患としては血清病、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)、急性糸球体腎炎、関節リウマチ、過敏性肺臓炎、リウマチ性肺炎、多発性動脈炎、アレルギー性血管炎、シェーグレン症候群があげられます。

    最先端の治療薬?!「抗体医薬品」!
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    IV型アレルギー

    抗原と特異的に反応する感作T細胞によって起こります。抗原と反応した感作T細胞から、マクロファージを活性化する因子などの様々な生理活性物質が遊離し、周囲の組織傷害を起こします。薬物アレルギー、金属アレルギーなどがアレルギーとしてあげられます。他のアレルギー反応がすべて液性免疫であるのに対し、IV型アレルギーだけは細胞性免疫がかかわり、リンパ球の集簇(しゅうそう、むらがってあつまること)・増殖・活性化などに時間が掛かるため、遅延型過敏症と呼ばれます。ツベルクリン反応、接触性皮膚炎などがあります。 この種のアレルギーの皮内反応は、24~48時間後⇒発赤⇒硬結となって現れます。

    代表的な疾患としては接触性皮膚炎(いわゆる「ウルシかぶれ」は「アレルギー性接触皮膚炎」の一種。)ツベルクリン反応、移植免疫、腫瘍免疫、シェーグレン症候群、感染アレルギー、薬剤性肺炎、ギラン・バレー症候群があげられます。

    近年は、免疫学の進歩によって細胞性免疫によるIV型アレルギーも責任免疫細胞によって細分類されることがありますが、細分類してもマネジメントは変化しません。

    IVa型

    Th1細胞とマクロファージによる反応でありツベルクリン反応、接触性皮膚炎がこれに含まれます。

    IVb型

    Th2細胞と好酸球による反応である気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蛋白誘発性腸炎が含まれます。

    IVc型

    CD8+T細胞による反応です。接触性皮膚炎が含まれます。

    IVd型

    T細胞と好中球による反応です。ベーチェット病などが含まれます。

    V型アレルギー

    受容体に対する自己抗体が産生され、その自己抗体がリガンドと同様に受容体を刺激することで、細胞から物質が分泌され続けるために起こるアレルギーです。基本的な機序はII型アレルギーと同じですが、刺激性という点だけが異なっています。代表的疾患はバセドウ病です。